入院患児のためのプレパレーション用絵本
2つの視点を取り入れた手術を受ける患児のための説明用絵本
特 徴
- 鳥瞰図としての説明画面に加えて,子どもの視点から見た世界を患児が覚醒している画面すべてに配置しています.
- 2つの視点により,子どもの理解を促進します.説明者に子どもの心に対する配慮が必要なことを気づかせます.
- 視点の違いを正確に表すためにすべて三次元CGによって制作しています.
- 動作解析システムを使った実験等で有効性を検証し,学会で発表済みです.
- Smile(デジタル・ツール)の内容と同じです[実験・演習は除く.声かけ内容は北里大学病院小児病棟3A(当時)の看護師による専門家会議で決定].
内 容
全ての画面は携帯サイトで確認可能です
見開き11ページ構成
コンテンツは,①[顔合わせ]〜⑪[帰室]までの見開きで11画面で構成しています.
キャラクタ
キャラクタは,全部で5人です.
説明対象の子どもの性別に対応するために男の子と女の子のキャラクタがいますが,同時に登場することはありません.
③[一人でお泊まり]
子どもが不安に感じる場面は,母子分離です.そこでどのような言葉をかけられるかが重要なのです.
(動作解析システムを使った実験から明らかになってます)
⑥[移動]
ストレッチャーで手術室に向かうシーンです.流れて行く天井や光は,非日常的視点であるため恐怖感があります.
⑧[手術室へ]
立ち位置次第で子どもの恐怖感の差があることや,声かけの内容なども検討する余地があることに気がつきます.
(実際の絵本の写真)
⑨[手術中]
覚醒していない場面のため子どもの視点が入っていない唯一のページです.
(実際の絵本の写真)
⑪[帰室]
子どもの視点は,麻酔から醒めたときのものを入れています.
実施場所
プレイルーム・病室など自由に
プレイルームで
プレイルームで実施すると緊張感も解れます.
(男性看護師による実施風景)
病室で
絵本なので扱い易く,寝た状態でもOKです.
(男性看護師による実施風景)
プレパレーション用携帯サイト
今でも利用可能
ガラケー用
開設理由
- 公開時(2009),プレパレーション専用ツールというものがほとんどなく,学術的検証が成されていませんでしたので,専用ツールとして提供したいと考えたからです.
- 当時,ほとんどの病室で携帯電話の使用が禁止されていましたが,病室で使う携帯電話が医療機器に悪影響を与えると言う理由にさしたる根拠がなく,いずれ払拭されれば簡単に病室で使えると考えていたからです(その後,総務省の発表により解禁され,電車内の譲り合い席でも電源OFFの必要が無くなったのはご存じのとおりです).
- プレパレーションは,母親が実施するに勝る人はいませんからお母さんが利用できるツールがあれば実現ができると考えたからです(今でこそiPhoneなどで見ると小さな画像ですが,当時としては通信速度や携帯の機能差があったため,高解像度と低解像度の2種類を用意したのです)
岡崎 章